PDF版ダウンロード

FACE

矢込和彦 

矢込和彦
医療業界企業経営を経て、2020年6月オーティコン補聴器チーフ・オペレーティング・オフィサー(COO:最高執行責任者)に就任。専門は財務と組織づくり。「仕事一辺倒ではない人生を」と50歳目前に始めた趣味の津軽三味線では、1911人での演奏に参加したギネス世界記録をもつ。

オーティコン補聴器がお客様の元に届くまでには、受注、製品在庫管理、オーダーメイド品の製造、出荷前検査、発送、修理といった一連のオペレーション業務があります。どの部門の担当者も、補聴器を使われるお客様を意識して、品質重視の専門性の高い業務をこなしています。しかし、常に変化し続ける時代――社会の制度やお客様のニーズの変化、日進月歩の技術革新に対応していくためには、私たち自身もまた変化し続けなければなりません。

私たちが目指すのは、一人ひとりが自立し、自分の専門領域を究めながらも成長できる企業です。専門性をもちながらより幅広い領域で活躍できるようになれば、自分自身の土台が大きくなり、伸びしろもまた大きくなる。それが成長のチャンスです。欧米の格言に「Think out of box」(箱の外で考えよう)という言葉がありますが、従来の仕事の仕方を客観的に見て、柔軟に変えていくことも必要です。

現在、社内組織をより大きなチームに再編し、他部門の仕事も見渡しながら広い視野で仕事に取り組める体制づくりを始めています。また、他の部署での仕事を体験する「クロス・トレーニング」など、自分の成長の可能性を実感できる新たな取り組みも導入します。マネジャー(中間管理職)クラスには、オーケストラで言えば指揮者の役割をしっかり学んでもらうべく、管理職研修も開始しました。

本当のプロフェッショナルとは、自立=自分自身で考え判断できる力に加え、磨き上げた知識や技術、経験を持ち、それを活かして他者に貢献できることだと考えています。私たちは、社員の自立と成長を通じて変化する時代に対応し、補聴器ユーザーの皆さまと社会に貢献して参ります。

LIFE

青空の下、「ナイスショット!」が聞ける喜び

現役時代は旅行会社に勤務。1960年代の海外旅行自由化の頃に、早くも年3~4回は海外出張をこなしていた。現在は、ゴルフのほかサッカー観戦など好きなスポーツ三昧の日々を楽しむ。

27歳の時に取引先から誘われて始めたゴルフに魅せられて50年。70歳の退職を機に、本格的に楽しむようになりました。週1回プロのレッスンを受け、ゴルフを通じてできた仲間と月2~4回ほどコースに出ています。

3年ほど前から補聴器を使用していますが、食卓での会話が聞こえづらくなり、両耳装用を勧められたのを機にオーティコンの補聴器を購入しました。いくつも試聴した末、最終的な決め手はオーティコンの「360度の聞こえ」にこだわって作られているという点に惹かれたからです。

しかしいざ使ってみると聞き取りにくい場面が多く、最初は補聴器の調整が原因なのかと思い、頻繁に補聴器販売店へ通いました。販売店の方も親身になって調整をしてくれたのですが、よくよく相談してみたところ、肝心な操作方法や装着方法が間違っていたことがわかりました。補聴器に慣れていた私が「これでいいだろう」と思っていた使い方が、実は自己流だったのです。販売店で専門家に普段の使い方を詳しく確認してもらって初めてわかりました。

会社員時代はゴルフも自己流でしたが、現在はプロの指導を受けて基本から教えていただいています。補聴器も同じで、製品の機能や効果を発揮するためには、まずは正確に使用すること。そして、補聴器販売店でどんどん質問しながら、専門家にきちんと調整してもらうことが大事ですね。

ゴルフの魅力を語るT.Sさん

「ボール、コース、傾斜、風…何をとっても同じ場面がない、変化に富むスポーツ」とゴルフの魅力を語るT.Sさん。

しっかり使い方を教わり、ようやく補聴器でよい聞こえを取り戻すことができた私は、外に出るのが楽しくなりました。人と話して刺激を受けたり、新たな体験に挑戦するのは認知症予防のためにも大切だと思います。講演会、落語、映画といろいろ楽しみはありますが、何よりもゴルフの一打一打が私の“挑戦”です。仲間との楽しいゴルフ談義、キャディさんの「ナイスショット!」の声に心躍らせながら、ゴルフを生涯スポーツとして長く続けていきたいと思います。(2020年11月取材)

SCENE

私たちのチームは品質管理、主に耳あな型補聴器の出荷前検査を担当しています。検査機器を使用しながら人の手と目によって厳しくチェックする最終工程は、一つ一つ注文内容も形状も異なる補聴器製造の現場では欠かせない大切な仕事です。検査工程として、まずお客さまのご注文どおりに仕上がっているか、外観に不具合がないかを目で確かめます。その後検査機器による音響性能の検査をし、実際にお客さまの聴力データを入力して初期動作の確認をします。最後に全体の検査をします。この検査工程を通過した製品だけが出荷され、補聴器販売店を通じてお客さまの元に届けられます。同様にオーダーメイドのモールドなどの検査もしっかりと行っています。

品質管理として入社してからは検査業務をメインとして行ってきましたが、今年からはチームをまとめていく立場になりました。7名のメンバーはそれぞれが品質について自分の意見をしっかりと持ち、メンバー全員で意見を出し合いお客様の目線に立って品質や工程の改善に取り組んでいます。少しでもお客様の人生のサポートになるよう改善をし続け、これからもより確かな品質の製品をお届けしていきます。

一聴来福

一聴来福 佳作

オーティコン補聴器 チャリティーコンサート

編集後記

オーティコンの新企業理念“Life-Changing Technology”の発表を機に本紙を発行して参りましたが、今号が最終回となりました。素敵なライフチェンジを経験されたお客様の笑顔が印象的で、弊社の補聴器が単に聞こえの改善だけでなく、お客様の生活の質、人生そのものにも深く関わりがある事を実感しました。社員インタビューでは、ユーザーの皆さまによりよい補聴器をお届けし、その方らしい人生を送っていただきたいという社員共通の願いを感じました。本紙によって少しでも弊社をご理解いただければと願いつつ、ご協力くださった皆さまに心より御礼申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

(ソリューションマーケティング部 木下伊津子)