オーティコン モアは脳に音の情景の全体像を届ける世界初*のAI補聴器です。高度なAI技術であるディープニューラルネットワーク(DNN)を補聴器の心臓部に搭載。モアの登場で補聴器テクノロジーは飛躍的な進歩を遂げました。
* 世界初(DNNを搭載した補聴器)は2020.11月末時点です。
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これまでの音声処理システムは、会話のような音声を最適に強調しながら聞き取りを妨げる背景騒音を低減するためには、数学的な理論モデルや研究者が考え出した仮説を用いてデザインされてきました。
これに対して、オーティコン モア補聴器は、高度な人工知能(AI)の一つである、ディープニューラルネットワーク(DNN)を音声処理システムに採用しました。DNNとは、人の脳が学ぶ方法を模倣した高度な人工知能(AI)の一つです。
DNNは人の脳と同じように、学びを重ねて高度な知識レベルに達しますが、その学習には、非常に多くのデータが必要です。オーティコンが持つ、音声処理の経験と現実世界から収集した膨大な音の情景データに基づいて、1,200万の実際の音の情景を学ばせました。これは、これまでにない先進的な補聴器テクノロジーです。
DNNは、あらゆる種類の音、それぞれの音が持つ詳細、またそれらが理想的に聞こえるにはどう認識できるようにするかを学習済みです。
これは標準的な人工知能(AI)ソフトウェアをはるかに超えるものであり、刻々と変化する日常の音の情景にリアルタイムで対処できるように開発された、独自の補聴器テクノロジーです。
インテリジェンス機能の統合によって、オーティコン モアは、脳の聞く働きを最適にサポートするために、さまざまに変化する聞こえの環境に対してもシームレス(滑らかに)に対処することができます。
ブレインヒアリング理念を詳しく
研究施設(ラボ)から外の世界へと飛び出しました
360°の球体マイクを用いて、現実の世界に足を運び、日常の場面からさまざまな音の情景を収録、これをDNNの学習に使用しました。
球体マイクは、球体全体に均等に分散配置された32個の高度な個別のマイクから構成されています。それぞれのマイクからの出力は、高度な信号処理を使用して組み合わされることで、任意の音の情景をきめ細やかに、かつ精密に捉えることができます。また、球体マイクを用いることで大量の音の情報を収集することも可能になりました。
現実にある音の情報から学んだDNNによる音声処理システム。これは、オーティコン モアがオーティコン史上最高の精度と明瞭さをもって、音の情景全体を処理する上での基盤として機能します。
Bluetooth®補聴器テクノロジーである補聴器用オーディオストリーミング(ASHA)によりAndroidデバイスへ接続できます。
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音の情景の全体像を提供するために、音声処理の方法をあらためて再定義しました。
360°の球体マイクを用いて、日常の場面からさまざまな音を収集しました。
収集した音を用いてディープニューラルネットワーク(DNN)に繰り返し学習させ、それらを認識できるようにしました。
DNNは、モアサウンド・インテリジェンスの一部であり、音の情景の全体像に対して正確な分析とバランス調整を行います。
音環境の変化に合わせて、高速で高解像度の増幅を実現:モアサウンド・アンプリファイア
オーティコンの新しいアプローチにより、音の情景の全体像を正確に処理し、増幅するために2つの新しい機能が動作します:モアサウンド・インテリジェンス、モアサウンド・アンプリファイア
音の情景の処理における飛躍的進歩
オーティコン モアの先進機能モアサウンド・インテリジェンスは、音を捉えて最適化します。一つひとつの音をそれぞれ明確なコントラストをもって際立たせることで、音の情景の全体像へのアクセスをもたらします。
音の情景をスキャンして分析
モアサウンド・インテリジェンスは、周囲のあらゆる音を1秒間に500回スキャンして、すべての音の詳細と音環境の複雑さを分析します。次に、フィッティング時に設定したユーザーの個々の聞こえの好みも適用しながら、刻一刻と変化する音の情景に対し、どのように対処するか明確なターゲットを定めます。
信号処理とコントラストの強調
音の情景の分析に続いて、モアサウンド・インテリジェンスは、ユーザーの周囲の音の状況を精緻に整えて、現実の日常の様々な音を使った広範な学習済みのDNNを活用し、検出された音のそれぞれについて、そのコントラストを高めます。結果、音の情景の中にある音をより自然なまま、よりクリアにそして完全にバランスを整えて届けます。2
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周囲のあらゆる音を精密なバランスで増幅
オーティコン モアのモアサウンド・アンプリファイアは、先駆的でバランスをはかった増幅システムです。モアサウンド・アンプリファイアは正確にそして素早く、言葉の重要な詳細や音の強弱まで、可聴性を確実に保って難聴者へと届けます。
従来の圧縮増幅
音の情景を届けるために、従来の圧縮技術は「画一的な」アプローチを適用してきました。固定の解像度を用いることで、すべての音声は一様に処理されてきました。この方法では一部の音は過度に増幅される一方、その他の音に対する増幅が十分ではく、また一部の音は過度に圧縮されることで、バランスの取れていない聞こえの体験を生みだしていました。 これは、音の情景の中の重要な詳細をユーザーから奪うだけでなく、脳においては周囲で何が起こっているのかを理解するのは困難です。
新たなバランスの整った増幅
対照的に、モアサウンド・アンプリファイアは、動的でバランスの整ったシステムです。目の前の音の情景の内容にシームレスに適応できるスピードと精緻に処理する処理能力を備えます。6倍に向上した解像度と、スピード適応型のパイロットを備えたモアサウンド・アンプリファイアは、音と音との間の細かいコントラストとバランスを維持しながら、音の情景の全体像を届けます。3 これにより、脳は音の意味を理解するために必要な重要な情報にアクセスできるようになります。2
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新しいポラリスプラットフォームを搭載
Polaris™(ポラリス)プラットフォームは、オーティコン モアのバックボーンとなるプラットフォームとして補聴器専用に開発されました。このユニークなアプローチにより、学習済みのディープニューラルネットワーク(DNN)を定常的に実行しながら、オーティコン史上もっとも早い通信速度と精度、さらに処理速度を高めることで、オーティコン モアに搭載されたすべてのテクノロジーの実行に必要なパワーを満たすプラットフォームです。3
高度なアルゴリズムの実行を可能にするために容量を16倍増強4
インテリジェンスを利用した、業界をリードする64チャンネル処理
2倍の計算能力と処理速度4
ディープニューラルネットワークによる処理
1.5〜5 kHzの周波数帯域での精度を2倍に向上4
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1Brændgaard, M. 2020a. MoreSound Intelligence. Oticon tech paper.
2Santurette, S. & Behrens, T. 2020. The audiology of Oticon More. Oticon whitepaper.
3Brændgaard, M. 2020b. The Polaris Platform. Oticon tech paper
4Velox S プラットフォームとの比較