補聴器での音楽体験を72%向上させる新プログラムを発表
~オーティコン モアシリーズで音楽プログラムOticon MyMusicを9月21日にリリース~
110余年の歴史を持つ補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:木下聡、以下オーティコン)は、本年2月に世界初*1となる人工知能(補聴器専用DNN)を搭載した補聴器、オーティコン モア(Oticon More)の発売を開始しました*2。このオーティコン モアにおいて、これまでとは一線を画す新音楽プログラム「Oticon MyMusic (オーティコン マイミュージック)、以下MyMusic」を2021年9月21日にリリースします。様々なタイプの難聴を持つ音楽愛好家と共同で開発されたMyMusicは、生演奏からストリーミング音楽まであらゆる場面で補聴器ユーザーに優れた音楽体験を実現します。
◆開発までの背景
音楽を補聴器で楽しむために、これまでも様々な取り組みがなされてきました。しかし、補聴器ユーザーの中には、かつての様に音楽を楽しむことが難しい方も少なくないのが事実です。音楽は、会話音声と比較して周波数範囲と音の強弱の変化がはるかに大きく(右図1)、急激な音の変化も含まれます*3。そのため音楽を処理するには、会話音の聞き取りに焦点をあてた従来の音声処理では対応が難しいことがありました。
会話の聞き取りに最適化された補聴器では、楽曲が持つダイナミクス(強・弱)をそのままに再現することは困難でした。騒音やハウリングを抑えことばの聞き取りを高める機能が、楽器の音に反応し予期せぬ音の抑制につながることもありました。これは会話や社会的活動の上では最適化された信号処理方法でも、自然な音楽体験に必ずしも適するとは限らないことを示しています。
◆新音楽プログラムMyMusicが優れている理由とその評価
これまでも補聴器のための音楽用プログラムはありましたが、オーティコン モアでの技術革新を基に、長年にわたる音楽と聴覚の研究成果、近年発表された補聴器を音楽のために調整する際の一般的な推奨事項、さらに高度なハイファイ音響機器(ハイファイ・オーディオ)開発の現場で広く採用されている手法などを加味し、新たな視点からMyMusicの開発に取り組みました*4*5。
MyMusicの開発ではすべての段階で徹底的にテストを行っています。様々な難聴と音楽への関わりを持つ補聴器ユーザーが参加して行われた最終テストでは、難聴者が日常的に接する音楽について、3つのシーンに分類し評価テストを行いました。
- シーン1「ライブ音楽」:コーラスやロックの生コンサートの臨場感を再現
- シーン2「ステレオ音楽」:ステレオスピーカーからクラシックやポップ音楽が流れる一般的な自宅での音楽鑑賞を再現
- シーン3「ストリーミング音楽」:電車の中やカフェなど、にぎやかな環境下でiPhoneから補聴器への直接ストリーミングされた音楽やポッドキャストを聴く場面を再現
3つのシーンでの音楽の聞き取りにおいてMyMusicは、従来の音楽プラグラムと比較して、72%高い評価を得ました*6。
◆MyMusicと補聴器プログラム
MyMusicを含む補聴器プログラムの設定は補聴器販売店、クリニックなどで、補聴器専門家による設定が必要です。補聴器プログラムは、補聴器本体、リモートコントロール、スマートフォンの「オーティコンONアプリ」などの併用で、必要なタイミングで切り替えいただけます。
Oticon MyMusicのリリースにあたり、オーティコン補聴器、プレジデント 木下 聡は次のように述べています。
「補聴器で音楽の自然な音色や豊かな音を楽しむことは、様々な取り組みがあったにもかかわらず、まだ解決できていない課題の一つでした。MyMusicの登場で、Oticon Moreのユーザーは、ライブやご自宅のオーディオ機器で、またストリーミングでも上質な音楽を体感いただけるようになります。人はなぜ音楽を聴くのでしょうか、いくつかの研究では、心を和らげリラックスするためだけではなく、感情のコントロールに音楽を活用する人が多いことが示されています。また、音楽は人間の幸福に欠かせないアイデンティティ(自己同一性)や社会への帰属意識にも影響を与えることが明らかになっています*7。オーティコンでは、聞こえの問題にとらわれることなく音楽を楽しむ機会の創出にも取り組んでいます。」
オーティコンユーザーを「オーティコンみみともチャリティコンサート2021」ライブ配信にご招待!
オーティコンは、新たな音楽プログラムMyMusicの発表とともに、多くの補聴器ユーザーに音楽体験を体感いただくべく、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団前コンサートマスター、ダニエル・ゲーデ氏率いる 「メランデ・ピアノ三重奏団」を迎え、11月5日19:00~から開催の「みみともチャリティコンサート」のオンライン配信へご招待します。お申込み方法は、9月22日公開予定の専用ページ(https://www.oticon.co.jp/event/concert)を参照ください。またはお買い上げの販売店を通じてもお申込み可能です。ご使用中の補聴器がオーティコン モアであれば、ぜひこの機会にMyMusicでオーティコン史上最上の新たな音楽体験を実感ください。
※販売店での対面またはリモートケアによる遠隔での事前のプログラム設定が必要です。詳しくはお買い上げの補聴器販売店へお問い合わせ下さい。
*1世界初(DNN を搭載した補聴器)は2020年11月末時点です。
*2 Santurette, S. & Behrens, T. 2020. The audiology of Oticon More. Oticon Whitepaper.
*3 Chasin and Russo 2004
*4 Crook,Greasley,& Beeston,2018;Crook,Beeston,& Greasley,
*5 Olive,Welti,&McMullin2013b;Olive,Welti,&Khonsaripour,2016;Olive,Khonsaripour,&Welti,2018;Jaakkopasanen,2019
ハーマンターゲットと呼ばれる基準曲線は、インルーム(ルームコレクションシステム用)、またインイヤー、オンイヤー、オーバーイヤーーの各ヘッドフォン用に作成されている
*6 Man B.K.L., Garnæs M.F.,Kjeldal R., Sørup Yssing M., Løve S (2021). Oticon MyMusicClinical Evidence. OticonWP.
*7 Laukka, 2006
■オーティコン補聴器について
補聴器業界におけるパイオニアであるオーティコン社(Oticon A/S)は、デンマークを本社とする世界的な企業で、16,000人以上の従業員を有するデマントグループの傘下にあります。 日本市場においては1973年より製品の製造・販売を行っています(https://www.oticon.co.jp)。オーティコンの新しい企業理念「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」とは、「難聴による制限のない世界、補聴器が難聴者の生活に溶け込み、難聴により引き起こされる健康リスクを抑えながら、その人らしく充実した人生を送る手助けとなれるよう、常に最も革新的な補聴器開発をおこなっていくこと」です。オーティコンは先進のノンリニア補聴器、フルデジタル補聴器および人工知能補聴器を開発し、革新的な技術を開拓してきました。また、脳から聞こえを考える、「BrainHearing™(ブレインヒアリング)」を補聴器開発の原点に置いています。先進技術とオージオロジー(聴覚学)を研究するエリクスホルム研究センター(デンマーク)において、約13,000人以上のテストユーザーと世界中から参集した様々な分野の科学者と共に、軽度から高重度、子供用から大人用まで、あらゆる難聴に対応できるよう、常に最先端で革新的な補聴器の開発・製造を行っております。
■デマント(Demant)グループについて
デマントは世界をリードする聴覚ヘルスケアグループであり、聞こえに悩む人々が周りの世界とつながることをサポートするソリューションやサービスを提供しています。1世紀以上前から、先進的なテクノロジーの開発、人々の聴覚と健康の改善において重要な役割を果たしてきました。補聴器、人工内耳、聴覚検査装置、オーディオソリューション、および聴覚ケアのあらゆる面において世界約130ヵ国以上で製品やサービスを提供し、これらの活動に積極的に取り組んでいます。 また、昨今成長している、ゲームやオフィスコミュニケーション用のインテリジェントオーディオソリューション事業もグループ内で重要な位置を占めています。2019年には、ロイヤル フィリップス社とブランド使用におけるライセンス契約を締結し、フィリップスブランドの補聴器を製造・販売しています。全デマントグループ約16,000人の従業員と共に人々の聞こえと健康の改善に努め、人生に変化をもたらす革新的なテクノロジーとノウハウの開発をおこなっています。
*詳細はこちらをご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
オーティコン補聴器(PR:香田)
TEL:044-543-0615 FAX:044-543-0616 E-mail:info@oticon.co.jp