年末年始は間違いなく多くの人たちが気持ちを新たにする時節でもあります。年越し蕎麦やおせち料理の準備、しめ飾りや門松を飾ったり新年を迎える厳かな雰囲気が街を染める季節でもあります。皆さんにとって、家族や友人たちと過ごす年の瀬やお正月に、これがなくては始まらないという音や音楽はありませんか?
大晦日やお正月をそれほど気にしないという方も、聞こえに問題がある場合、この季節は「聞こえの難しさ」を感じる季節でもあります。大掃除や買出しにとめまぐるしい年の瀬であっても、この季節ならではの音や音楽が今まで通りに耳に伝わってこないとしたら、何かしらの違和感を感じるかもしれません。
Top five sounds of the holiday season| 米国HealthyHearing 2015年12月7日掲載の記事を基に日本国内に合わせて編集
音楽:Music
ラジオやショッピングモールから流れてくるこの季節ならではの音楽や童謡、古くからの友人や親戚などの集まりで楽しむカラオケ、合唱団による第九の合唱、お正月の琴の調べなど、この季節に流れる曲の多くは、私たちにとって子供のころから親しみのある音色です。
もちろんその時代を代表する歌手は変わります。お気に入りの歌手が歌い上げるこの季節ならではのおなじみの一曲はありませんか?皆様は、いまこの瞬間、その一曲を口ずさんでいるかもしれません。
季節を感じさせる曲たちは、思い出のクリスマス、大晦日、子供のころのお正月などの思い出を一気によみがえらせてくれます。しかし難聴になると、おもに高い音の聞こえに影響を与えます。もし曲の旋律が聞こえてこなかったら、楽器の音がただ混じりあう音のつながりにしか聞こえてこなかったら、この季節ならではの楽しみは半減してしまうかもしれません。特定の楽器、特にバイオリンやフルートなどの奏でる音楽は高い周波数であることが多く、聞こえの問題がある場合には音の聞き取りに困難をきたす場合があります。
家族や親しい人たちの声:The voices of loved ones
帰省して家族で集まったり、遠く離れた家族や友人に電話をしたり、この季節はまた、集いの季節でもあります。家族や心を許した友人たちだけの静かな団らんで、この一年の出来事を振り返ったり-親しい人との会話は、楽しいひと時にさらに彩りを添えます。
しかし想像してみてください。子ども達がお年玉を手に握りしめながら、お礼を伝えているその声がもし耳にはっきりと届かないとしたら。聞こえに問題があることで、パーティなどで会話を逃したり、家族の話を聞き逃したり、せっかくの友人との久しぶりの会話が弾まないなどということも起こりえます。多くの人にとって楽しさを感じる季節だからこそ、会話についていくのが難しいと感じることは、ストレスや孤独感を感じたり、落ち込んでしまうといったことにもつながります。
楽しい時間を過ごすために騒音を避けて静かなところで話をする、日中窓のそばの明るいところで会話する、相手の顔を見ながらゆっくりと話をする、伝わりにくいときは、ことばを言いかえてみる・・・。
聞こえへのやさしい心づかいはまた、誰にとっても「伝わりやすい」コミュニケーションでもあります。
大好きな映画たち:Your favorite movies
皆さんにもお気に入りの作品があると思います。年末年始にはどうしてもこれを観てしまう!という作品があるかもしれません。往年の銀幕スター(美しい響きのことばですね!)の出演するあの作品、またはスターウォーズしかないという方もいらっしゃるかもしれません。特に長い間にわたってお気に入りの作品は、文字通り毎年毎年何回見ても見飽きることはありません。コメディ映画であっても、心温まる映画であっても一ついえることは、もしお気に入りのセリフがいつもの声音で聞こえてこなかったら、心ゆくまでその映画を楽しめない可能性もあります。
お気に入りの映画を長く楽しむためにも、どうぞ一人で、みんなと一緒に映画やテレビを楽しむときは、音量にいつもより少しだけ気をつけてみてください。
除夜の鐘:New Year’s Bell
いよいよ年が暮れるときにどこからか響いてくる鐘の音・・・聞こえてきませんか?この季節をもっとも象徴する音の一つが、除夜の鐘です。有名な寺院の鐘の音、近所の小さなお寺からとどく鐘の音、この音を聞くために、または直接鐘を鳴らしにいくために、眠い目をこすって起きている子供たちも。
除夜の鐘には、去り行く年を忘れ、新しい年を健やかに迎えるための願いが込められています。本来なら聞こえてくるはずの除夜の鐘が耳に届かないことは、心を新たにする機会が少し遠のいてしまうことにもなりかねません。
大晦日のカウントダウン:New Year's Eve countdown
音や文化に対する考え方も少しずつ変わり、多くの人の耳に届ける除夜の鐘から家族や親しい人たちで集まって新しい年を迎えるカウントダウンも年々広がっています。
大晦日の夜、海外では伝統的にラジオやテレビの音にあわせ年の終りと新しい年の訪れを祝います。米国ニューヨークのタイムズスクエアの賑わいをご覧になったことがある方もいるかもしれません。そこでは声を合わせて「3…2…1…Happy New Year!(新年おめでとう)」とおなじみの曲「Auld Lang Syne(蛍の光)」を合唱して新たな新年をにぎやかに祝います。
本年中のご愛顧に心より御礼申し上げます
この季節ならではの音色に、皆様もどうぞ耳を傾けてみて下さい。耳とともに聞こえをつかさどっているのは脳です。聞こえは一人ひとりの経験や記憶と大きく結びついており、同じ音であっても実はその人その人で聞こえ方は異なるのです。もしおなじみの音がいつもと少し違って聞こえるという場合は、ぜひ一度お近くの耳鼻医へご相談ください。定期的に聞こえをチェックすることは、より良い聞こえや耳の健康へとつながります。
2015年も残すところあとわずかとなりました。本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますと共に、来る年の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
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本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事をベースに、一般的な情報提供を目的として意訳また日本において加筆編集を行ったものです。
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引用元について:Contributed by Lisa Packer, staff writer for Healthy Hearing | Tuesday, December 1st, 2015
英語版は下記から参照いただけます:http://www.healthyhearing.com/report/52592-Top-five-sounds-of-the-holiday-season