オーティコン、10人中7人の補聴器ユーザーが感じる長年の課題*1に着目した補聴器 「オーティコン リアル」を発売。人工知能と新技術により日常に溢れる様々な環境音に対処して明瞭な聞こえと快適な聞き心地を実現
110余年の歴史を持ち、デンマークに本社を置く補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:齋藤 徹、以下 オーティコン)は、最新のプレミアム補聴器「オーティコン リアル(Oticon Real)、以下リアル」の販売を開始します。オーティコンは、補聴器ユーザーや専門家が以前から聞き取りに悪影響を与えると感じていた急激な音の変化や風切り音などの課題を解決するため、新技術「リアルサウンド・テクノロジー」を開発し、音声の明瞭性と快適性を実現しました。オーティコン リアルは、高精度な人工知能を搭載*2した新プラットフォーム「ポラリスR」を採用し、新技術と人工知能によるリアルタイムの信号処理を次なるレベルに引き上げます。オーティコン リアルは目立たない4つの耳かけ型スタイルと、機能の差による3つの価格帯が用意されており2023年4月5日(水)から、全国のオーティコン補聴器取り扱い専門店、眼鏡店、百貨店で受注を開始します。
■ 補聴器ユーザーの10人中7人が日常的に不快な音に悩まされてきたという事実*1
大小様々な突発音―例えば、電話が鳴る音、ドアの閉まる音、包丁がまな板に当たる音―このような音が私たちの日常には溢れ、生活に彩りや豊かさを与えています。一方でこれらの音は、補聴器ユーザーにとっては時に対処が難しく、補聴器ユーザーの10人中7人以上が日常的にこれらの音に煩わしさを感じていることが判明しています*1。従来の一般的な補聴器技術は、処理速度の限界により周囲の音への反応が遅く、突発的な音が不自然かつ過剰に増幅されることで不快に感じられることがありました。また突発的な音を抑制する際に、会話音声を含む、周囲の重要な音が抑制されてしまうこともありました。その結果、補聴器ユーザーはこのような場面では聞きたい音声に注意を向けることが難しくなり、周囲とのコミュニケーションにより多くの努力を要します。調査によれば、10人中9人の聴覚ケア専門家が、ユーザーが抱えるこの問題に直面していることも判りました*1。
■ 新技術リアルサウンド・テクノロジーで実現する2つの新機能
近年の研究により、わたしたちが言葉の意味をより容易に理解するには、脳の自然な働きを最大限活用する必要があり、「脳はすべての音の情報を必要としている*3」ことが明らかになっています。オーティコンは、「煩わしさを感じる音」に対処する際にも、この脳の働きを重要視しています。そのため、不快な音から聞こえを保護しながら音の詳細までを細やかにそしてクリアに保ちながら補聴器ユーザーがすべての重要な音にアクセスできるよう、新基軸の技術となるリアルサウンド・テクノロジーを開発しました。この新技術は「突発音スタビライザー」、「風切り音/擦れ音スタビライザー」の2つの新機能としてオーティコン リアルに搭載されています。
▶ 「突発音スタビライザー」
「突発音スタビライザー」は、大小さまざまな突発音を日々50万回*4処理できます。キーボードを叩く音やドアを閉める音など、補聴器ユーザーを悩ます予測不能な突発音を瞬時に検出して音のバランスを取ることで、不快な音が耳障りにならないように処理します。また会話をしているときに突発的な音が発生しても、言葉の聞き取りに影響することがありません。突発的な音の感じ方は個人差が多いため、聴覚ケア専門家による補聴器調整時には、聞こえの好みに合わせて設定をカスタマイズすることができます。
▶ 「風切り音/擦れ音スタビライザー」
「風切り音/擦れ音スタビライザー」は、1秒間に最大500回もの風や擦れ音を検知してクリアにします。一般的に、風の強い日に屋外にいる時やスポーツをする時などに補聴器を装用すると、風や擦れによる雑音が聞こえを妨げることがあります。また眼鏡、マスク、帽子などが補聴器に触れたり、何気なく耳元の髪を触った時などにも補聴器のマイク(音の入り口)に触れることで耳ざわりな音が聞こえることがあります。そのような状況においても、新機能がユーザーの快適な聞き取りをサポートするとともに音声の明瞭性を向上させます。
■ オーティコン独自の脳から聞こえを考える「ブレインヒアリング」のアプローチ
音は耳から集められますが、音の意味を実際に理解するのは脳の役割であり、音の情報が多ければ多いほど脳は本来の自然な聞く力を発揮することができます。オーティコンは、製品設計において脳から聞こえを考える「ブレインヒアリング」のコンセプトを根幹においています。耳から届く音の情報が不足すると脳は不足している情報を埋めるために多くの努力を払いますが、これは疲れを生じるのみならず、効率よく音を処理することを難しくします。オーティコン リアルは補聴器の課題であった快適性と明瞭性の両立を実現することで、ユーザーの実生活においても煩わしさを感じさせることなく、豊かで開かれた音の情景を脳へと届けます。臨床試験では、オーティコン リアルの「突発音スタビライザー」を有効にすると、騒がしい状況下でも聞く努力を大幅に22%軽減することが実証されています*5。
■ オーティコン リアルのエンジン「ポラリスR」
オーティコン リアルは、最新のプラットフォーム「ポラリスR」を搭載しています。ポラリスRは、1,200万の実際のリアルな世界の音の情景を用いて訓練された高精度な人工知能モデル「ディープニューラルネットワーク(DNN)」を内蔵し、あらゆる音の詳細を精緻に処理してリアルタイムで届けます。さらにポラリスR搭載のオーティコン リアルは、風切り音や突発音を高速かつ正確に処理するための新たな検出器を備えています。オーティコン リアルは、新技術リアルサウンド・テクノロジーによって人工知能を基にした信号処理を次のレベルへと引き上げます。
■ オーティコン リアルについて
私たちは誰しも、ヘルスケアにおいて最良の解決策を求めます。音質に優れたオーティコン リアルは、突発的に発生する音にも気を逸らされることなく、自分が聞きたい音に自然に耳を傾けることができます。聞く努力が減ることで、家族や友人との交流や趣味などを楽しむことにもっと多くのエネルギーを使うことができます。
2021年に登場した「オーティコン モア」は脳本来の自然な働きに必要な音の情景の全体像を届けるために、世界初*2となる高度な人工知能DNNを搭載した補聴器として大きな反響を呼びました。進化したオーティコン リアルは、人工知能の信号処理技術を新たなレベルに引き上げ、複雑で予測不可能な音を非常に高速かつ高い精度で処理することで、音へのアクセスを確保しながら、その音が聞き取りの邪魔にならないようにします。したがって、快適な聴取体験を届けつつも会話やその他周囲の音が損なわれることがないため、風の強い日など変化の多い環境でもより良く会話を楽しむことができます。
またオーティコン リアルは、現代のデジタル社会に対応した先進の外部デジタル機器との接続機能を備えています。ワイヤレスヘッドセットとして、iPhoneやiPad*6からハンズフリー通話を楽しめます。また、iPhoneなどのApple製品やAndroid™端末*7から高音質の直接ストリーミングを行ったり、オーティコンのTVアダプターを併用しテレビから音声を流したり、コネクトクリップの併用では、リモートマイクとして講義やビジネス会議の際などに相手の声を補聴器にワイヤレスで流すことができます。
オーティコン リアルは搭載機能の違いで「リアル1」「リアル2」「リアル3」の3つの価格帯があります。スタイルは耳かけ型4種類(ミニRITE R[充電式]、ミニRITE T、ミニBTE R[充電式]、ミニBTE T)、カラーはヘアカラー7色に、個性を生かした「ヒア・ピンク」を加えた8色展開で、充電式のミニRITE Rでは限定色「オリーブ・グリーン」もお選びいただけます。充電式の利便性を好むユーザーのための充電式スタイルは、わずか3.5時間の充電で外部機器からのストリーミングを含む1日の使用が可能です*8 。
■ 専用アプリ:オーティコン コンパニオン
オーティコン コンパニオン(Oticon Companion)アプリは、補聴器と併用してご利用いただける、新たな、オーティコン補聴器専用のアプリです。本アプリは、直感的に操作いただけるユーザー画面を備えます。音量の調整やプログラムの変更、また補聴器を最後に装用した場所をアプリ上に示す補聴器を探す機能などが搭載されています。さらに機能には、補聴器の購入後などに、補聴器専門家から遠隔でのカウンセリングや調整を受けることが可能なリモートケア機能も含まれます*9。本アプリは今後ユーザーの補聴器体験を高める多彩な機能の拡充を予定しています。
■ 「オーティコン補聴器」プレジデント 齋藤 徹のコメント
ふとした眼鏡の取り外し、靴音などどこにでも起こりうる日常的な環境音が、多くの難聴者を悩ませてきましたがそこには既存技術の限界という壁がありました。人工知能による次世代の信号処理で実現した新技術でこのハードルを越えたオーティコン リアルは、音質とともにより良い聞き心地も実現しています。多くの聞こえに悩む方々にオーティコン リアルを通じて、より快適な聴覚ケアを届けられることをとても嬉しく思います。
▼オーティコン リアル製品ページ
*1 Gade et al. (2023). Wind & Handling Stabilizer – Evidence and user benefits. Oticon whitepaper.
*2 補聴器専用ディープニューラルネットワーク(DNN)をプラットフォームに直接搭載。世界初(DNN を搭載した補聴器)は2020.11 月末時点の情報
*3 O’Sullivan, J., et al. (2019); Hausfeld, L., et al. (2018); Puvvada, K. C. & Simon, J. Z. (2017)
*4 1日の活動時間を約16時間と想定した場合
*5 瞳孔測定法を用いた研究により最大平均瞳孔径との比較で平均瞳孔径が22%減少したことに基づく
*6 ハンズフリー通信対応の必要条件:iPhone11以降でiOS15.2以降に対応したiPhone、iPad OS 15.2以降で動作するiPad、補聴器はポラリスプラットフォーム搭載でFW1.3.0以降である必要があります
*7 ダイレクトストリーミングは、iPhone 11以降、iPad Pro 12.9インチ(第5世代、第4世代)、iPad Pro 11インチ(第3世代、第2世代)、iPad Air(第4世代)、iPad mini(第6世代)で、ソフトウェアアップデート iOS 15.2 および iPadOS 15.2 以降で利用可能。ASHA(補聴器用オーディオストリーミング):Android 10 以上で、ASHA 対応器種に対応、その他のAndroid端末ではコネクトクリップを併用
*8 リチウムイオン充電池のパフォーマンスは、難聴の程度、ライフスタイル、ストリーミングの使用状況によって異なります
*9 リモートケアサービスの利用には、ユーザーがオーティコン補聴器を購入された販売店において同サービスの提供を開始している必要があります
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■ オーティコン補聴器について
オーティコン(Oticon)は、1904年にデンマークで創設された補聴器業界におけるパイオニアです。企業理念として「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」を掲げ、難聴による制限のない世界の実現を目指し、製品開発と聴覚ケアの普及に取り組んでいます。
オーティコンは補聴器業界で唯一、聞こえと脳に関する基礎研究所を擁するメーカーであり、そこに在籍する聴覚学、脳神経科学、電子工学など様々な分野の研究者と、13,000人以上のテストユーザーによって、常に先進的で革新的な補聴器テクノロジーが生み出されています。オーティコン製品の最大の特徴は、脳から聞こえを考える「BrainHearing(ブレインヒアリング)」というアプローチです。「耳に音をどう届けるか」だけではなく、「脳が理解しやすい音を届けるにはどうするか」に着目した製品群は、第三者機関による確かなエビデンスに支えられ、世界100ヵ国以上で使用されています。日本でも1973年より補聴器の製造・販売を行っています。
■ デマント(Demant)グループについて
デマントは、1904年にデンマークのオーデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器、人工内耳事業へと参入していきました。現在、世界130か国以上でビジネスを展開しています。デマントは2つの点で世界唯一の企業です。第一に聴覚ヘルスケアにおける全ての分野をカバーしていること、第二に慈善財団(ウィリアム・デマント財団)が所有する聴覚ヘルスケア企業であることです。デマントグループ全社では20,000人を超える従業員が、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発に従事しています。
*詳細はこちらをご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
オーティコン補聴器(PR:香田)
TEL:044-543-0615 FAX:044-543-0616 E-mail:info@oticon.co.jp