みみともコンサート2024 開催レポート
子どもから大人まで難聴者と健聴者が共に最上の音楽を楽しむ特別な1日
2024年11月4日、大阪の「ザ・フェニックスホール」で「みみともコンサート2024」を開催いたしましたので、その模様をお届けします。
■ みみともコンサートの目的
「みみともコンサート」は、オーティコンのCSR(企業の社会的責任)活動の一環として、2014年から毎年実施しているイベントです。「子どもから大人まで、難聴者と健聴者が共に 最上の音楽を楽しむ」という趣旨のもと、難聴者の方にもコンサートを楽しんでいただけるような環境を整え、音楽の喜びを多くの方と共有することを目指しています。今年は、さらに幅広くお届けしたいという思いから、例年開催しておりました東京から大阪へと会場を移し、2015年以来約10年ぶりに関西の皆様をお迎えすることができました。
■ ウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団が奏でる最上の音楽
「みみともコンサート」の舞台に、今年も最高の音楽を届けるための特別なゲストが登場しました。このコンサートに深く賛同し、毎年素晴らしい音楽家を率いて来日しているのが、ウィーン・フィルの前コンサートマスター、ダニエル・ゲーデ氏。今年で11回目の出演となる彼が今回選んだアンサンブルは、彼自身が結成した ウィーン・フーゴ・ヴォルフ三重奏団 です。
三重奏団は、ヴァイオリン奏者であるゲーデ氏に加え、チェロのグスタフ・リヴィニウス氏とピアノのオリヴァー・トレンドゥル氏という豪華な顔ぶれ。美しく洗練された音楽性で知られ、世界中の音楽愛好家を魅了している音楽家が極上の時間を届けてくれました。
コンサートではクラシックの名曲が奏でられるのはもちろんのこと、日本の楽曲もプログラムに織り交ぜられ、会場は大いに盛り上がりました。彼らの演奏は、ただ「聴く」だけではなく、心に深く響き、余韻を長く楽しめるものでした。
コンサート会場の「あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール」(上)とコンサートの様子(下)
■ みみともコンサートならではの聞こえのサポート
みみともコンサートでは、難聴者の方にも快適にコンサートを楽しんでいただけるよう、様々なサポートを行いました。
- ヒアリングループ:コンサート会場に設置したヒアリングループ内では、話し手の音声や音楽は磁場に変換されます。ループ内ではこの変換された音を補聴器や人工内耳に搭載されているテレコイルを使って直接聞くことができます。この方式により補聴器のハウリング(ピーという高い音)は発生しないので、ハウリングを気にすることなくコンサートを楽しんでいただくことができました。
- 要約筆記システム:専門の資格を持つ要約筆記者が、ステージ上の登壇者の話を要約し、モニターに表示することで、視覚情報を介して聞こえをサポートしました。
- 筆談対応スタッフを配置:ご質問やご不安な点があれば直接お声かけいただけるよう、筆談に対応できるスタッフを会場の各所に配置しました。
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こうした情報保障と呼ばれるサポート体制により、難聴者の方も健聴者の方も、同じ空間で最上の音楽を楽しめるひとときとなりました。
■ 会場での体験コーナー
コンサート開始前や休憩の合間に体験していただけるように、ご自身の聞こえの具合を確認できる体験コーナーやオーティコン補聴器の展示コーナー、補聴器の聞こえをバーチャルで体験できるVRコーナーを準備し、たくさんの方にご参加いただきました。
■ オーティコンファンミーティングを同時に開催
また、コンサートの前にはオーティコンファンミーティングを開催しました。普段なかなか話すことが出来ない『聞こえ』について自由に話し合える交流型のイベントとして、補聴器ユーザーの方だけでなく、これから聴覚ケアを始めようと考えている方、耳鼻科医師、言語聴覚士、補聴器販売員など、聴覚ケアに関心をお持ちの多種多様な方々が一堂に会し、様々な視点から聴覚ケアについて語り合う場となりました。
■ プログラム内容
- オーティコンと補聴器研究開発のご紹介
「難聴の妻を助けたい」という創業者ハンス・デマントの家族への愛情から生まれたオーティコン誕生のストーリーと120年たった今でもその思いは引き継がれていること、オーティコンのミッションである「難聴者の人生がより豊かに変わっていくテクノロジーの追求」を形にする研究開発に従事しているエリクスホルム研究センターの存在、ブレインヒアリングの考えをベースとした最新の製品開発の模様、またオーティコンがお届けする様々な活動のご紹介を行いました。参加者の皆様からは、技術革新や製品の進化に関する熱心なご質問を多くいただき、聴覚ケアに対する関心の高さを改めて感じました。
- スーパーユーザー西倉志帆さんによるスペシャルトーク
補聴器ユーザーで、補聴器相談員としても活躍する西倉志帆さんに、「わたしのライフチェンジストーリー」と題し、ご自身が難聴を受け入れるのに葛藤し時間がかかったこと、補聴器装用を開始したきっかけとなる出来事、補聴器ユーザーから補聴器販売店勤務に至った経緯、さらに難聴と向き合う経験を活かしながら補聴器ユーザーのサポートに取り組んでいる思いを語っていただきました。難聴を理解し共感するプロとして、多くの方々に勇気と希望をお届けしたエピソードは、参加者の心に強く響いたようでした。
- 聴覚ケアについて語り合う座談会
座談会では、聴覚ケアに関する疑問や課題について、参加者の方の様々な視点から意見が交わされました。中でも、補聴器を使い始めてから聞こえに慣れていくまでの『聴覚リハビリ』について、当事者の方の体験や聴覚ケアを提供する医療者側からのアドバイス、補聴器販売店側からのコメントなど、「聴覚ケア」について語り合う場となりました。
- みみともコンサートのバックステージツアー
みみともコンサートならではの取り組みを実際にご覧いただくバックステージツアーでは、ヒアリングループなど会場の設備をご紹介し、要約筆記のデモンストレーションをご体験いただきました。また、最後にコンサートの出演者と共に記念撮影も行いました。
- 参加者同士の懇親会
最後はティータイムを兼ねた懇親会を行いました。ほんのひと時ではありましたが、垣根を越えて楽しく語り合う交流の場となりました。
■ 主催者としての思い
今回の「みみともコンサート2024」と「オーティコンファンミーティング」を通じて、私たちオーティコンが目指している「聴覚ケアの大切さ」と「聞こえる生活の喜び」を参加者の皆様と分かち合うことができ、大変嬉しく思います。また、このイベントを通じて、健聴の方にも難聴や聴覚ケアについて知っていただく機会となり、理解が深まることを願ってこれからも続けていきたいと思います。
私たちは今後も、皆さまの「聞こえ」をサポートする製品とサービスの向上を目指し、オーティコン のミッションでもある「難聴が制限にならない世界」の実現に少しでも近づけるように努めて参ります。また、こうしたイベントや交流の場を通じて、皆様と共に歩んでいけたらと願っております。
イベントにご参加くださった皆さまに、改めて深く御礼申し上げます。
【本件に関するお問い合わせ先】
■ オーティコン補聴器(コンタクトセンター: 高井)
TEL:044-543-0615 FAX:044-543-0615 E-mail:info@oticon.co.jp