2019年も残すところあとわずか。和暦が改元され令和元年となった今年の1年も、もうじき終わろうとしています。年越し蕎麦やおせち料理の準備、しめ飾りや門松など、新年を迎える厳かな雰囲気が街を染めていく中、家族や友人たちと過ごす年の瀬や新たな年の初めにに聞こえてくる「音」。毎年変わらずやってくるらこそ、ややもすればそのままに過ぎてしまうこの季節ならではの「音」にはどのようなものがあるでしょう?
音楽
ラジオやショッピングモールから流れてくるこの季節ならではの音楽や童謡、古くからの友人や親戚などの集まりで楽しむカラオケ、合唱団による第九の合唱、お正月の琴の調べなど、この季節に流れる曲の多くは、私たちにとって子供のころから親しみのある音色です。
もちろんその時代を代表する歌手は変わります。お気に入りの歌手が歌い上げるこの季節ならではのおなじみの一曲はありませんか?皆様は、いまこの瞬間、その一曲を口ずさんでいるかもしれません。
家族や親しい人たちの声
帰省して家族が集まる、遠く離れた家族や友人からの電話、長く会っていなくても家族や親しい人の声は遠くからでもすぐに分かるもの。そして、この季節は集いの季節でもあります。家族や心を許した友人たちとの団らんや、この一年の出来事を振り返る親しい人との会話は、楽しいひと時にさらに彩りを添えます。久しぶりに聞く友人の声に昔の記憶が呼び起こされ、思い出話に花が咲くうちに、みんなの心は学生時代に帰っているかもしれません。
大好きな映画たち
年末年始にはどうしてもこれを観てしまう!という自分の中での定番の映画が皆様にあるのではないでしょうか。あるいは年末年始こそ、その時の最新の話題作を欠かさず観に行くという方も。往年の銀幕スター(美しい響きのことばですね!)が出演するあの作品、今ならスターウォーズの新トリロジーをしめくくるエピソード9が気になるという方もいらっしゃるかもしれません。特に長い間にわたってお気に入りの作品は、文字通り毎年毎年、何回見ても見飽きることはありません。そして誰もが一度は真似している、お約束の決め台詞がいつもの調子で聞こえてくれば一気に気持ちが高まります。
除夜の鐘
いよいよ年が暮れるときにどこからか響いてくる鐘の音…聞こえてきませんか?この季節をもっとも象徴する音の一つが、除夜の鐘です。有名な寺院の鐘の音、近所の小さなお寺からとどく鐘の音、この音を聞くために、または直接鐘を鳴らしにいくために、眠い目をこすって起きている子供たちも。除夜の鐘には、去り行く年を忘れ、新しい年を健やかに迎えるための願いが込められています。大みそかの夜に響く鐘の音色は、私たちを厳かな気持ちにしてくれます。
大晦日のカウントダウン
音や文化に対する考え方も少しずつ変わり、多くの人の耳に届ける除夜の鐘から家族や親しい人たちで集まって新しい年を迎えるカウントダウンも年々広がっています。
大晦日の夜、海外では伝統的にラジオやテレビの音にあわせ年の終りと新しい年の訪れを祝います。ニューヨークのタイムズスクエアの賑わいをご覧になったことがある方もいるかもしれません。そこでは声を合わせて「3…2…1…Happy New Year!(新年おめでとう)」とおなじみの曲「Auld Lang Syne(蛍の光)」を合唱して新たな新年をにぎやかに祝います。
季節の音楽、あなたの周りの人の声、お気に入りの映画のセリフ、除夜の鐘の音、カウントダウンに集まった人々の歓声…。もし、これらの音の聞き取りが難しいとすればどう感じるでしょうか。あなたの周りを満たしている、人生を彩る大切なものたちをあなたの耳が聞き逃しているとしたら?
季節を感じる音を変わらず楽しむために
いよいよ来年2020年は東京オリンピックが開催されます。四季折々を彩る音や、時の一瞬一瞬を感じる音とともにその時々を楽しむことができることは、人生をよりいっそう豊かなものします。聞こえは一人ひとりの経験や記憶と大きく結びついており、同じ音や声であっても実はその人その人で聞こえ方は異なります。もしおなじみの音がいつもと少し違って聞こえると感じるならば、ぜひ一度お近くの耳鼻咽喉科医へご相談ください。定期的に聞こえをチェックすることは、より良い聞こえや耳の健康へとつながります。