子育て中に心が弱らない人なんていません。お子さんを見ていて、ちゃんと聞こえているしまったく問題ないと思っていた次の瞬間に「変な感じに聞こえる」とお子さんが訴えたりすることも。お医者さんに相談すべきでしょうか?おそらくそうかもしれません。 一時的な難聴を引き起こす主たる4つの原因とこのような症状が認められたら何をすべきかについて、ここでお話します。
米国国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)によれば、6人中5人の子どもたちが3歳までに少なくともどちらか片耳に感染を経験するとされます。実際、親が子どもを病院に連れていく原因のうち最も多いのが耳の感染症によるものです。耳の感染症は子どもたちに不快感や難聴といった症状につながりますが、ありがたいことにこれらの問題は、聞こえに永久的なダメージを与えることはなく、たいていは自然に治ります。
子どもたちの間で最も多い耳の感染症として知られているのは滲出性中耳炎です。これは中耳の一部が感染したり、腫れたりしたときに鼓膜の奥に液が溜まってしまうことで起こります。もしお子さんががまだ小さくて耳の痛みを伝えられない場合は、これらの兆候がないか確認して下さい。
- 耳を引っ張ったり押したりする
- 泣いたり、日常的にわめいたりする
- 睡眠に問題がある
- 熱を出す
- 耳漏れ
- ふらふらするなどバランス感覚に問題がある
- 聞こえや音に対する反応に問題がある
対処方法について
耳の感染症はたいてい風邪やのどの痛みが中耳にまで広がることによって細菌感染を引き起こすことで起こります。2歳以上のお子さんについては以下のような、自宅での処置が効果的かもしれません。
特に寝る時間に子どもがリラックスできるようにするなど、鎮痛剤を使用する。市販薬を用いる場合は、必ず使用方法をよく読んでからお使いください
お湯で濡らしたタオルを当てて温める
身体が感染症を乗り越えられるように休養を多く撮りましょう
耳の感染症は多くの場合抗生物質に頼らず自然に治りますが、数日たっても状態が改善しなければ病院に行くようにしてください。また2歳以下のお子さんの場合は常にお医者さんにかかるようにしてください。
EarWax:耳垢
信じられないかもしれませんが、耳垢には役割があります。水の侵入を防いで鼓膜や外耳道を守っているだけでなく、耳の中に入りこんで鼓膜を刺激するほこりや汚れ、その他細かい塵などを捉えたりもします。
この他にも耳垢には驚くべきことがあります。私たちの身体は自然と必要なだけの耳垢を生み出して、そして不要になった耳垢はきちんと取り除いているという事実です。絞ったタオルなどを使って耳をきれいにふき取ることは大丈夫ですが、耳垢が耳の中の見えるところにあるからといって綿球やその他のものを使って、取ろうとしないでください。実際は、綿棒などは耳のさらに奥、そして鼓膜の側に耳垢を押し込んでしまうことになり、良いことどころか、炎症などへ結びつきかねません。
対処方法について
お子さんがよく聞こえないとか、音がこもっていると訴えるときは、外耳道が塞がって聞こえを妨げるほど耳垢が溜まっているときかもしれません。
このようなケースでは耳鼻科医やかかりつけのお医者さんなどを予約しましょう。
耳垢が原因となって、痛みが出たり、聞こえが妨げられている場合は、お医者さんは、ほんの数分で溜まった耳垢を安全に取り除くことができるでしょう。ときに耳垢でなく、他の異物で耳のつまりが生じているる可能性もあります。
耳垢以外の異物
子どもたちが好奇心が強いのは生まれながらのことです。乳児期には、どんなものでも掴んで口に入れようとします。
少し大きくなると、耳や鼻孔といった身体の他の開口部を探索し始めます。そして、好奇心から手に取ったものを、耳穴のような箇所にぴったり合わないかどうかを確かめようとします。一般的に小石、補聴器の電池、豆や小さなキャンディなどを耳穴に入れがちです。
このような方法で自分の身体を調べてみることは、子どもたちにとってはごく普通のことですが、それは耳の腫れ、感染症や一時的な難聴などにつながります。
お子さんがが耳の中に何かを入れてしまったことにどうやって気づくでしょうか、すぐには気づかないかもしれません。
もしかなり耳の奥まで入り込んでいるとしても、耳が痛いとか変な音がするとお子さんが訴えるまで気が付かないかもしれません。耳から分泌物が出ていることで気づくかもしれませんが、いつもそうだとは限りません。
対処方法について
子どもが耳の中に何か入れてしまったと思ったら・・・
まずは落ち着きましょう。そしてお子さんがお話ができる年齢であれば、耳の中に何か入れなかったか聞きましょう。不安を感じないよう安心させ、ちゃんと聞こえるようにするために、異物を取り除く必要があることをお子さんに説明しましょう。
もし、異物が見えていてもあなた自身で取り除こうとはしないでください。耳のより深くまで押し込んで、鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。
すぐにお医者さんを呼びましょう。もし往診が難しい場合は、歩いて行くことができる、すぐに近くの耳鼻科または救急病院に行ってください。お医者さんに最も適切な方法で取り除いてもらうってください。そのあと、感染を防ぐために抗生物質が処方されるかもしれません。
病院に向かう間、特にお子さん自身が原因を作ってしまったときに、怖がることはよくあることです。異物を取り除く際に、注射を打たれたり、痛みを伴わないことを説明して安心させてください。また医師や、救急病院の専門スタッフの方々に、異物を取り除く前にどんな器具を使用するかについて本人に説明してもらうようにお願いしましょう。
Selective listening:聞きたいことだけ耳に届いている?
どれだけ聞き分けの良いお子さんでも100%親の言うことを聞いていることなんてありえませんよね?だからこそ、お子さんの聞こえについて気持ちをゆったりと持つことが大切です。お子さんが都合の良い部分だけ聞いていると感じる際に、実際に聞こえの問題がある可能性もあることを見逃さないようにすることが大切です。意思疎通の力やコミュニケーションスキルは時間をかけて発達していきます。最も重要なことの一つは、最初から子どもがきちんと聞こえているかどうかを確かめることです。
子どもたちの聞こえの状態をできるだけ最高の状態に保つために
お子さんの小さい耳を毎日柔らかいタオルと暖かいお湯で清潔に保ちましょう
耳垢やその他の小さな異物などを取り除くために、耳の中に綿球やヘアピンを入れないでください
会話や言語発達に関係する習得に遅れがあると思われるなら、聞こえの発達段階に注意し、聞こえに関する検査を受けさせてください。
ご自身や周囲が、良いコミュニケーションスキルを身につけるモデルとなりましょう。気をそらしがちな携帯電話やその他の電化製品は減らして積極的にアイコンタクトや笑顔を届けるようにしましょう。子供たちは真似をすることがとても上手です。ご家庭で、耳を傾けることそしてコミュニケーションを図ることに重きを置くようにすることで、お子さんに生涯にわたる良い習慣を教えていくことができます。
もしお子さんの聞こえについて心配なことがあれば、お住まいの地域で小児の聞こえを専門とする耳鼻科医をはじめとする聴覚ケアの専門家を探しましょう。聞こえの検査は、どの年齢のお子さんでも受けることができ、多くのお子さんは検査はとても楽しいものと感じています!
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オーティコン補聴器マーケティング部(山口・川田・渋谷)
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本記事は米国HealthyHearingによって記載された記事を基に、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトは healthyhearing.com並びにOticonに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingまたはOticonが指定する執筆者または提供者に帰属します。
引用元について:Contributed by Debbie Clason, staff writer, Healthy Hearing
英語版は下記から参照いただけます:http://www.healthyhearing.com/report/52620-Four-common-causes-of-temporary-hearing-loss-in-children-and-what-to-do-when-they-occur